あなたはイヤホンにいくら出せますか?5千円、1万円、中には100均のイヤホンで十分な人もいれば、20万でも40万でも音が良ければ出す人もいるでしょう。その2タイプの方はこのブログのターゲットではありませんが...
自分は3万円に大きな壁を感じます。イヤホンに限らず、3万円を超えるかどうかは購買判断に大きく関わります。
そんな自分の現時点の結論、ジャスト3万円で購入し、一年以上メインイヤホンとして愛用しているfinal A5000を紹介します。
スペック
A5000には、部品だけでなく生産機器を含め、全て自社で開発・設計したドライバー「f-Core DU」を搭載。音質はフラッグシップイヤホンであるA8000の開発時に確立したfinal独自の評価法を基に設計を行ないました。「トランスペアレントな音」と呼ばれる、距離が離れたところに定位した音もクリアに聴こえる音の印象に加え、中低域の細かな音まで聴き取れることで、一音一音に奥行き感を感じることができます。また、A5000のために開発された新設計の2-Pinソフトシルバーコートケーブルを標準装備。編み込みケーブルで取り回しが良く、A5000のサウンドをより一層クリアに感じていただけます。
開封/付属品
2024年のfinal福袋、「A+Aは8000ですわ」を購入。A4000が2本来たらブチギレてた(なわけ) |
? |
内容物は本体に加えてイヤーピース、イヤーフック、ケースが付属 |
本体形状はAシリーズやBシリーズ、MAKE1~3と同一のもの ただし表面は高級感のあるシボ加工となっている |
新開発のソフトシルバーコートケーブル(左)を採用 極細のケーブル8本を編み込んだ、しなやかな仕上がり 中央は従来のシルバーコートケーブル、右はA3000など採用のブラックケーブル |
明らかにしなやか |
2023年10月27日注文分から、プラグの形状がI型からL型に変更されている。 自分のはL型。こっちのほうが取り回しがよい |
音質
このレビューは、素人による素人のためのレビューです。正確に音質を伝えることよりも、このイヤホンの音の傾向をわかりやすく伝えることを目的としています。
再生環境
自作PCからのS/PDIF出力をSONY UDA-1で受け、フロント6.3mmヘッドホン出力を3.5mmミニプラグに変換(FURUTECH製)してからイヤホンと接続しています。
右半分が自作PC(マザーボードはROG CROSSHAIR VIII DARK HERO) 左側中央のちっこいのがSONY UDA-1、このサイズでパッシブスピーカーへ出力できる優等生 |
比較機種
今回はAシリーズ入門機であり、本機のベースと思われるfinal A3000、A5000を除くと手元で唯一の3万円台イヤホンであるqdc Suprerior EXの2機種と比較します。A4000は持ってません...
・final A3000: ゆったりと広がる低域のなかに、一音一音が輪郭を持って浮かび上がるように定位する、圧倒的にナチュラルなサウンド。 あらゆる場面で活躍できる万能機。
A3000はレビュー済みです。
・qdc SUPERIOR EX: qdc×FitEar、2大カスタムIEMブランドによる史上初のコラボレーション 音楽が持つ広いダイナミクス再現に注力、より幅広い楽曲にマッチングさせたIEM 変なイヤホンです。巷では賛否両論な機種ですが、高音控え目なチューニングはIEM寄りの製品である所以ではないかと。
EXは終売していたので私が持っている無印の赤をば
実際に聴いてみた
まさに自分が追い求めていたサウンドです。リスニングにも通話にもゲームにも使える、上から下までバランスよく鳴らし、音が行方不明にならない定位感と聞き分けを可能とする解像感、そのすべてがA3000と同等以上の傑作機です。なぜA3000と同じドライバーでここまで違うのか。
とはいえ音のベースはA3000と変わりません。SUPERIOR EXとは比較にならない音の分離、何時間聴いても疲れないクリアなサウンド。A3000とのわかりやすい違いとすれば、中高音のキラキラ感が若干や増し、アタックが強く感じられます。しかし、MoonDrop系の高音特化イヤホンとは異なり、低音も十分な量感を持っていることは明らかです。
A5000と合わせるなら繊細な女性ボーカル曲や元気なハピコアは当然、しっとり目のエレクトロポップや激エモメロディで殴るタイプのUKハードコアだっていい。要するになんでもござれです。ただガチガチのハードスタイル聴くならもっとゆったり鳴らせるイヤホンを使ったって良い。それこそSUPERIOR EXなんかアリ。個人的には電子音の解像感はあればあるだけいいと思ってるのでA5000の方が好み。
曲のジャンルってありえん細分化されてて正直よくわからん...我々は雰囲気で音楽を楽しんでいる
あ、明確にA3000を超えているポイントが2点あります。音質じゃないけど。
- 筐体
A3000は安っぽさをなくすためにしっとり加工だったせいか若干加水分解的なべたつきがある。A5000のシボ加工デザインは高級感があるだけでなく触り心地も恒久的に改善。 - ソフトシルバーコートケーブル
超美しい。8芯の編み込みケーブルなのでスーパーしなやか、取り回しが神。音も多分良い(知らんけど) ただし、経年劣化で結構黄ばんできた。透明プラ被膜×8だからそりゃ黄ばみは目立つ。
あと、実はA3000より鳴らしやすい?自分の環境だとA3000よりボリューム下げて同程度の音量だった。1年以上使ってる影響もあるかも(A3000は逆に最近全然使ってない)
総評
- A3000をちゃんと超えてきた
- ただしA3000のような「同価格帯で最強」感はない。3万出すなら他にも選択肢はある
- finalらしい解像感
- あらゆる曲と相性がいい
- てかリスニング以外でも大活躍
- 低音不足に感じる人はいそう
- 筐体はいつものデザインで装着感抜群、シボ加工で触り心地も改善
- リケーブル可能(2pin)
- 美しいケーブルは取り回しも音質も神
- Type-E(イヤーピース)はやっぱり神
- マイクはない、いらない
A3000や他1万円台のイヤホンからのステップアップに最適、音の傾向としてもまさに王道のイヤホン。もちろん3万円あればswitchが買えてしまうけど、その価値は十分にある(といっても物の価値は人によるのだけれど...)。安物買いの銭失いをするよりも、常識的な値段の最上位を買っとくのが散財を押さえるコツかもしれない。A10000なんてとてもじゃないけど手が届かないし...
それでいうとA6000が気になるのだけれど、値段がさらに倍になってる割には、なんだよな... なんていうか、試聴時にA5000で感じた衝撃、納得感がないというか、別にA5000でよくねというか...
とはいえすでに1年以上使ったし、そろそろ別のイヤホンが欲しいお年頃でもある。真逆の製品コンセプトだけどAFULのPerformer 5+2とか...
コメント
コメントを投稿