[コラム] Intel Optane M10で爆速USBメモリは作れますか? [作れない]

 おぷたん いんさいど

解説?

Optaneをご存じだろうか。

Intel Optane メモリーとは、3D Xpoint技術を使用した不揮発性メモリである。

特徴は3つ

圧倒的な性能 (特にランダムアクセスと低遅延)

圧倒的な耐久性 M10は16GBなのに365TBW(???)

速度が低下しない (キャッシュを必要としないため)


従来これらが必要な用途を実現していたのは揮発性メモリであるDRAMだが、揮発性であるため電源を落とすとデータが消えてしまう。しかしOptaneは不揮発性、ざっくりSSDより高性能でありながら、DRAMより容量単価が安い、両方のイイトコ取り、まさに理想のメモリである。


しかし、IntelはOptane事業を終息した。商業的に失敗した理由を議論するつもりはないし、できる知識を持ち合わせていないが、素人目に見ても明らかなのは、一般ユーザーはOptaneを必要としていなかったことである。

いくらOptaneが高性能であっても、DRAMの性能を超えられないのであればDRAMの代替にはならない。しかし容量単価はSSDの何倍もかかる。そんな中途半端な記憶媒体を購入するのは、特殊なサーバーのような法人用途と一部のスペック厨だけである。そんな状態で利益があがるはずもなく(Intelとしても初めからその覚悟はあっただろうが...)、コストダウンが進まなかったのか、計画通りの性能向上が見込めなかったのか、Optaneはロストテクノロジーとなった。


そんなOptane、いっちゃん安いモデルであるM10 16GBが数百円Aliexpressにゴロゴロ落ちているのは周知の事実だが、今回はそれ有効活用してみようという企画である。


作成


インテル® Optane™ メモリー M10 シリーズ

片面実装なので裏面にチップはなし。

本来、M10シリーズは"低速ストレージデバイス (SATA HDD、SSHD、SSD) を高速化し、モバイル・プラットフォームおよび最新のコネクトスタンバイ* 向けに低電力サポート機能を追加"するためのメモリである。いわばキャッシュとしての利用が想定されているが、今回はSSDエンクロージャーにぶち込むことでUSBメモリとして使ってみよう。


SSDエンクロージャーは、以前購入したROG Strix Alion Hatsune Miku Editionを使用する。



SIMピンを挿すと裏面が開く

パッカーン

構造が古いので、M.2 Q-Latchはついておらず少々手間

放棄された未来のメモリ、それはまさに失われた夢...YUME?

YUMEのレビューはまた後日。


性能

比較対象は以下。

・intel 660p SSD 1TB in ROG Strix Arion(57%使用済み)

・SanDisk Cruzer Glide 3.0 64GB 並行輸入品


スペックは以下。

製品名 M10 16GB 660p Glide 3.0
シーケンシャルリード 900 MB/s 1800 MB/s 非公開
シーケンシャルライト 150 MB/s 1800 MB/s
ランダムリード 190,000 IOPS 150,000 IOPS
ランダムライト 35,000 IOPS 220,000 IOPS
耐久性評価 (TBW) 365 200
アクティブ消費電力 2 W 0.1 W
アイドル消費電力 0.008 W 0.04 W
平均故障間隔(MTBF) 1,600,000 1,600,000


あれ、M10の元のスペック、微妙じゃね...?

実は、M10のシーケンシャル性能は当時のSSDと比較して特出して優れているわけではない。元々がPCのキャッシュ用メモリであり、HDDのランダムリードを補いシステムの高速化を目的としている設計のため、それ以外の部分、上位モデルで実装されている書き込み並列化による高速化などはされていない。(16GBというサイズからして非現実的だが)

しかし、それでも性能がMAX数十MB/sのUSBメモリより圧倒的に高速であり、突出したランダムリード性能はデータの立ち上げ元、コピー元置き場としては有用だと考えられる。

実性能はCrystalDiskMarkとエクスプローラー上でのファイル操作で確認する。


CrystalDiskMark

M10

660p

Glide 3.0

概ねスペック通りの性能である。特筆すべきはM10のランダムリード。


参考:SN7100

レベルが違いすぎて比較対象にいれてなかったメインストレージのSN7100をタメを張れるレベルのランダムリード性能です。ランダム性能に強いOptaneの特性はM10でも発揮されています。これはすごい

ライトは見ての通り大したことのない性能ですが、シーケンシャルとランダムQ32T1の性能が並んでいるのがおもしろい

これでもくそざこUSB3.0メモリの完全上位互換なので性能は期待できそう。


実ファイル移動

10GBちょいのファイルを読み書きしてみます。

Read

M10、正直遅い。USBメモリと大差ない速度。


Write

逆にWriteは衝撃の速さ。660pと同等の速度が出ている。


総評

そんなにすごくない
いや、数百円でSSD並みの速度が出るのはすごいんだけど、容量が小さすぎる。クソ小容量SSDなら中古で安く手に入るし、Readぼろ負けだから明確な強みはレイテンシと耐久性だけ。両方とも実使用じゃ実感しにくい要素。
でも、おもちゃとしては悪くないです。時期が悪い今、自作erはおもちゃに飢えているので...
皆様もアリエクでゴミ漁りをしてはいかがでしょうか。


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